今さらMPEG2再生カード?「I-O
DATA GV-DVD2/PCI」
CanopusのMTV1000を取り付けて以来、私のビデオキャプチャー環境は退屈なほど安定してしまった。こうなると次に気になってくるのは出力側だ。せっかく高解像度でキャプチャーした動画も、小さい画面では意味がない。大きいディスプレイを買えば済む話だが、それではお金もかかるし場所も取る。そんな時はやはりTV出力だろう。
PCの動画をTVに出力するには、TV出力付きビデオカードか、MPEG2再生カードか、ダウンスキャンコンバータが必要となる。TV出力の付いているビデオカードは最近多く、大抵のカードにはTV出力モデルやTV出力オプションがあるが、中でもTV出力に定評があるのはMatroxのMillenniumシリーズ(G400以降)だ。MillenniumシリーズにはDualHeadでディスプレイとテレビに別々に出力できるなど、魅力的な機能もある。MPEG2再生カードは元々CPUパワーがないPC上でMPEG2を再生させるためのものだが、大抵TV出力も付いている。この分野ではVideoCD時代からの老舗であるSIGMA
DESIGNのREALmagic
DVD Hollywood+(以下Hollywood +)が有名だ。ダウンスキャンコンバータは以前使ったことがあるが、結構値が張る割には画質があまり良くないので除外するとして、大まかに言うと、TV出力付きビデオカードは動画以外もTV出力できるが、動画はソフトデコードでそこそこ、MPEG2再生カードは動画しか再生できないが、ハードエンコードで専用機並みに安定したきれいなTV出力ができるという一長一短があるということで、どちらにするかは迷うところだ。
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激安のGV-DVD2/PCI
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REALmagicのチップ
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しかし、そんなある日、秋葉原のSofmapでI-O DATAのMPEG2再生カードGV-DVD2/PCIが\4,999で叩き売られているのを見つけると迷いは吹き飛んだ。(8月3日のHeadline)GV-DVD2/PCIについてはノーマークで全く予備知識がなかったので、普通ならいくら安くても躊躇するところだが、何気なく横に置いてあったHollywood
+のパッケージと見比べてみると、なんと基盤のレイアウトが全く同じであることが判明。どうやらOEMのようだ。中古品か訳あり品かとも思ったが、安い以外は特に変わったところはなく、全くの新品で保証書もちゃんと付いていた。Web上にあったHollywood
+のドライバも再生ソフトも使えた。I-O DATAではサポートしていないWindows2000用のドライバもある。おそらく別売りの赤外線リモコン(シリアル接続)も使えるだろう。なお、それ以外にも、Windowsのメディアプレイヤー(Meならmplayer.exe、2000ならmplay32.exe)などでも見ることもできる。後で知ったことだが、この手のMPEG2再生カードはHollywood
+のOEMが多く、最近ではオリジナル版も含めて比較的安く入手できるようになったようだ。
通常、こういったカードは、ビデオカードの出力を一度取り込んで動画を合成するアナログオーバーレイのパススルー接続が多いのだが、ビデオカードからの出力が多少なりとも劣化してしまうので、パススルー接続にしないでおくことにした。このため、ディスプレイへの動画出力にはMPEG2再生カードが効かなくなるが、TV出力には影響ない。ちなみに、GV-DVD2/PCIを装着してもMPEGのソフトデコードには全く影響がないので、ディスプレイ上でも従来通りMPEG再生が可能だ。
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パススルー接続
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直接(?)接続
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音声についても、カード上に音声出力端子があるので、サウンドカードを通さずにTVに直接出力することができる。出力が若干小さい気はするがTV側で調整できるので、パススルー接続しないのであれば、通常の音声とは独立している方が完全にディスプレイ側とTV側で分離できるので何かと都合がいい。こうなると、結局のところPCIスロットに差すだけでよいということになる。
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左から、LINE-OUT、DIGITAL-OUT、TV-OUT、
VGA-OUT、VGA-IN(専用ケーブル)
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PCのディスプレイは高精細なため、どうしてもアラが見えてしまうMPEGだが、TVに映すとインターレース表示と解像度の粗さが相まって、思った以上にきれいに見える。MPEG2でTV放送並、MPEG1(VideoCD)でVHS3倍速並といったところで、MPEG1もまだまだ捨てたものではない。そう言えば、昔見たVideoCD専用プレイヤーの画質はPCで見るより随分きれいに見えた覚えがある。ビットレートはかなり広範囲に対応しているようだが、残念ながらMPEG4などには対応していない。ちなみに、GV-DVD2/PCIで再生しながら、MTV1000で録画するというアクロバチックな使い方も可能で、録画中の番組をタイムシフトでTVに表示したり(ワーク用ファイルmpg〜.m2pを指定する)、GV-DVD2/PCIからの出力をそのままMTV1000の入力に繋いでキャプチャーすることもできた。
惜しいのは再生ソフトの操作性だ。主にDVDプレイヤーとして使われることが想定されているためか、HD上の複数のMPEGファイルを連続再生するような使い方には向いていない。一回一回MPEGファイルを指定するか、指定したディスク全体のMPEGファイルをサーチしてから順に再生することしかできないのだ。また、2GB以上のファイルになると、なぜかシークができなくなる(再生はできる)。メディアプレイヤーでもシークできないところを見ると、再生ソフトと言うよりドライバの問題かも知れないが、長いファイルこそシークしたいものなので、結構困った問題かも知れない。
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