PC用のスピーカは、一度落ち着くとなかなか買い換える機会がない。うちでも、かれこれ10年以上、Panasonic EAB MPC70という知る人ぞ知る"マルチメディアスピーカ"を使っていたのだが、このスピーカーは、CRTモニタの横にぶら下げることを想定して、極端に横幅が狭く奥行きが長いという液晶時代に合わない形状であった上、コネクタ周辺部の強度設計の問題か、コネクタのハンダがはがれやすく、よく左側のスピーカから音が出なくなるという弱点を持っていた。それでもモニタ内蔵のスピーカなどより遙かに良い音がするため捨てられずにいたのだが、何度目かのハンダ付けを迫られた時、ついに決心した。
そこで、ネットやリアルの店舗を彷徨った末に出会ったのがオーディオテクニカのAT-SP150(BK)だ。発売は2006年末と少々古いが、まだまだ現役の製品だ。
AT-SP150 BK。白(WH)もあります。
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見た目はカッチリとした真面目風なデザインで、斜め上に向いてもいない。ボタンの位置やメッシュ内側の白色LEDなど、なんとなく練ってはいるが、スタイリッシュと言うほどではなく、少し外してしまった感がある。H135×W67×D70mmと非常にコンパクトなサイズでありながら、アルミニウムに酸化皮膜の処理をしたというフレームにより、質感は非常に高い。
上から見ると正方形。左に電源、右にボリューム。音質調整つまみはなし。
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音も脚色のない真面目な感じで、無理矢理低音を強調するということもない。それゆえ、迫力に欠けると感じられるかも知れないが、いわゆるドンシャリ度は低い。クリアだがやや乾いた感があるため、音を楽しむというより、音をモニタするといった用途の方が合っているかも知れない。
入力は一系統。
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微妙なのは12,600円というその価格設定。性能からすればコストパフォーマンスはそう悪くないのだが、BOSEほどのブランド力がない以上、音に拘らない層にとっては高く、音に拘る層にとっては心許ないという中途半端なセグメントだ。ただし、そのような状況を反映してか、現在、実売では約8,000円程度になっており、音にそこそこ拘りたい層なら手が出しやすくなっている。
オーディオテクニカ
AT-SP150
価格:12,600円(税込)
(2009/2/8)
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