Episode IV "A New Core :
Celeron533A"
A long time ago in a PC far, far away.... Celeronのオーバークロック(333→500)とデュアル化というダブル反則技を決めたセカンドマシン(通称:ニセMac)ではあったが、気が付くと、デバイスドライバやアプリケーションの関係で、デュアルCPUに対応していないWindows98ばかり使っていた。これでは宝の持ち腐れになるということで、価値のあるうちにマザーボードとCPUをまとめて売り払って、シングルCPUにダウングレードすることにしたのだった・・・。
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セカンドマシン |
迫力のツインパワー。しかし・・・。 |
Celeron333をそのまま使うという手もあったが、デュアルでオーバークロックをしていたことに比べると少々物足りないので、オーバークロックファンの新たな希望、Coppermine
Celeronを使うことにした。
Celeron533A
Celeron533Aは従来のCeleronとは外見からして全く異なる。最近のPentiumIIIと同じCoppermineコアを用いており、見かけもそっくりだ。PentiumIIIの廉価版として位置付けられ、ベースクロックを66MHz、2次キャッシュを128KBに無理矢理制限されているものの、同様の工程でつくられているPentiumIIIに匹敵する限界性能を持つものと思われる。533Aはベースクロックの8倍で動作するため、定格の66MHzであれば533MHzで動作するが、ベースクロックを強引に100MHzにすると800MHzで動作することになる。このCeleron533A発売時点で、PentiumIIIの最高クロックはインチキ1GHzを除いても933MHzに到達しているので、製造工程中に選り分けられていたとしても、800MHz程度なら動作する可能性は十分あるというわけだ。
ちなみに、マザーによってはベースクロックを定格の66MHz、100MHz、133MHz以外に数MHz刻みに66〜133MHz以上にまで設定できるものもあり、計算上はいかようにも設定できるように見えるが、定格以外のクロックになると、CPU以外のパーツもオーバークロック状態になり、不安定要素が増すばかりか、パーツの寿命を縮める恐れもあるので、私は避けている。
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Celeron333
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Celeron533A |
Celeron豆知識(1):コア(コード名)対応表
コード名
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製品名
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Covington
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266
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300
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Mendocino
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300A
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333
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366
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400
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433
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466
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500
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533
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Coppermine
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?
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533A
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566
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600
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633
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667
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700
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GA-BX2000+
マザーボードはGIGABYTEのGA-BX2000+を選んだ。基板が青いため、見かけだけでも目立っているが、中身もなかなかのものだ。チップセットは1世代前のBXだが、i820、i840チップセットがあてにならず、VIAのApolloPro133Aもパフォーマンスが出ない現在、これに頼らざるを得ない。BXはUltraATA/66、ベースクロック133MHz、AGP4xに対応していないというハンデがあるものの、UltraATA/66はIDE
RAIDカードでお馴染みのPromiseのチップを搭載することで対応し、ベースクロック133MHzは強引に対応している。しかし、AGPだけはどうにもならなかったようで、2xまでになっている。その他の機能として、GIGABYTEお得意のDualBIOSを搭載しており、BIOSのアップデートも安心だ。GIGABYTEはAsusほどBIOSの更新が頻繁にないので、あまり役に立たないかもしれない。
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PromiseのUltra66チップ |
DualBIOSで安心 |
Majesty
オーバークロック用のCPUクーラーといえば、アルファ社のアルミ製ヒートシンクと山洋のファンの国産最強タッグが定石だが、高価なスペーサーを挟まなければ、Coppermineの小さなダイに密着できないということだったので、どうせならと思い、以前から気になっていたTITANのMajestyを使用してみた。見た目にインパクトがあるだけではなく、風の流れもよさそうだ。買った後でわかったことだが、止め方もよく考えられており、Coppermineの小さなダイもしっかりロックでできる。
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見事な造形
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回して強力にロック
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GA-6R7PRO
Slocketは、青いマザーを買った勢いで、何も考えずにマザーと同じGIGABYTEの青いSlocketを買ってしまった。DualCeleron、Coppermine、ベースクロック66/100/133MHz対応、ジャンパでの電圧設定可能と一通りの機能を備えているが、最近のSlocketでは当然の機能なので、青い以外、特に変わったところはないと言える。ところが、装着してみると、マザーと色が同じというのは結構気持ちよい。開けたときしか見えないが。ちなみに、調子に乗っているGIGABYTEは青いグラフィックカード等も出しているので青ずくめにしたい人はどうぞ。
ところで、同じSocket370であっても、MendocinoとCoppermineではピンアサインが異なるため、Coppermineは従来のSlocketでは動かない言われていたが、MSI等の古いSlocketで、Coppermine対応を謳ってないものであっても、Coppermine
Celeronは動作したと言う報告もあるので、手持ちのSlocketがあれば、Coppermine対応Slocketを買う前に試してみよう。
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GA-6R7PRO REV1.1
このクーラーはアルファ+山洋 |
不思議な光景
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その結果
GA-BX2000+のクロックの設定は、今流行のソフトウェアスイッチではなく、本体のディップスイッチで行う。いろいろ切り替えていくのも面倒なので、一気にベースクロックを100MHzにして電源を入れてみた。すると、PentiumIII800Eと認識され、難なくWindowsまで立ち上がってしまった。電圧はデフォルトの1.5Vのままだった。Superπ104万桁を走らせても3DMarkを走らせても落ちないので、定格で動かしても完走できないことのあるという、SuperπのMAX値、3355万桁にチャレンジしてみた。結果は3時間53分で見事完走。Coppermineコアの底力を見せつけられた。こうしてあっという間にやることはなくなってしまった。初期のMendocinoコアで苦労したときとは雲泥の差であった。
こうなると、533A購入時に隣に陳列してあった566が気になる。 566はベースクロックの8.5倍で動作するため、ベースクロックが100MHzになると、850MHzで動作することになる。ちょうど職場の鈴木さんが566が850MHzで動かないと嘆いていたので、ちょっと拝借してうちの環境で試してみた。まずは、ベースクロック100MHz、電圧1.5Vで試してみたが、画面は真っ暗で最悪の状態。Slocketのジャンパで電圧を徐々に上げていき、1.65VでようやくWindowsが上がるようになった。しかし、HDBENCHはなんとか完走したものの、その後、Superπ104万桁を実行すると即フリーズ。人のものと言うこともあり、これ以上電圧を上げるのはやめておいた。これは、50MHzの差か、個体差かは分からないが、大きな差となってしまった。
ベンチマーク結果は下記の通り。デュアルで使っていた"500MHz動作のCeleron333"
(333@500)、定格動作の533A (533A)、800MHz動作の533A (533A@800)の3パターンに加え、参考として鈴木さんの850MHz動作の566
(566@800)のHDBENCHの結果をまとめた。なお、4パターンとも同一環境(セカンドマシン)上で計測されたものなので、純粋にCPUによる違いを表していると見ていいだろう。
ちなみにFinalReality、3DMark2000の数値に大きく影響するグラフィックカードについては、GeForce256を使用している。
ベンチマーク
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333@500
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533A
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533A@800
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(566@850)
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HDBENCH 3.22
Integer/Float
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20075
21095
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21385
22474
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32153
33783
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34148
35884
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Superπ
104万桁
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計測忘れ
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4分16秒
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3分10秒
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-
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5.22
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4.66
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6.05
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-
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3398
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3112
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3876
|
-
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533Aをオーバークロックすることによって、いかにパフォーマンスアップするかがわかる。ベースクロックの設定だけでこれだけ数値が延びるのだ。データがないため不明だが、PentiumIIIにして750MHz程度の性能は出ているものと思われる。Coppermineコアになってから、従来PentiumIIIの特権であったKNI命令にも対応したので、対応アプリケーションの面でも劣るところがないはずである。この時点(5月中旬)で、Celeron533Aは1万5千円程度、PentiumIII
750は5万円弱であった。また、面白いのは、コアが古く、動作周波数も低い333@500が、グラフィックを多用するFinalReality、3DMark2000において533Aを上回っていることだ。これは、ベースクロックの差によるものと思われるが、ベースクロックが66MHzでも100MHzでも、PCI、AGPは同一クロックで動作するため、主にメインメモリのクロック差ということになるだろうか。
当初、533A@800はBIOS画面でPentiumIII 800Eと認識され、とてもいい気分だったのだが、ある日、何気なくBIOSをアップデートしてみると、正しくCeleronと認識されるようになってしまった。VCoreが正しく表示されるようになったのはよかったのだが。
2000/06/06
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