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シールド付きスマートIDEケーブル「RD3 GLADIATOR」

 今年の夏、「データ転送が15%アップする」という謳い文句で発表されて以来、マニアの間で発売が待たれていたこの「RD3 GLADIATOR」だったが、待てど暮らせどなかなか市場に出回らず、マニアをヤキモキさせるどころか、すっかり忘れ去られようとしていた。しかし、ここへ来てようやく一部の店頭や通販でなんとか手に入れられるようになってきた。

確かに従来のスマートケーブルとは一線を画す作り

 まず目を引くのはブーツと呼ばれるコネクタ部のカバーだ。発表当初は8色のカラフルなバリエーションということだったのだが、今のところ黒と白しか見たことがない。単体で見ると他のケーブルに比べて作りがしっかりしており頼もしい限りだが、しっかりし過ぎてブーツは強制ギブスのように全く曲がらないので、思ったほど取り回しは楽ではない。特に小さいPCケースでは、拡張カードにぶつかる可能性がある。

 ケーブルの部分は一見すると金属製メッシュ丸出しのように見えるため、他のパーツとの接触が心配になるところだが、よく見ると樹脂製メッシュで覆われており、ジャンパピンのように尖ったものでなければガードできそうだ。一応ケーブルを保護するためのシールも付いている。また何気にアース線が出ているのも面白い。

金属メッシュの外側は樹脂メッシュでガード。
この中には銅のシールドが。

 さて、効果の方はというと、とても体感できるほどとは思えなかったので、早速ベンチマークテストでフラットケーブル(マザーボードに付いてきたATA100用)と比較してみた。使用したドライブは、静かだけどあまり速くないと言う評判のSeagateのU6(80GB)、ベンチマークソフトにはSandra2001teのDrives BenchmarkといつものHDBENCH(Ver.3.30)を使った。

 
フラットケーブル
RD3
Sandra2001te (Drive Index)
19930
20118
HDBENCH
READ
28796
29012
WRITE
28531
28647
COPY
35646
35540

 15%アップというのはさすがに大げさだとは思っていたが、どう見てもせいぜい1%アップといったところで、誤差の範囲と言えなくもない。Sandraの詳細項目に至っては全く同じ値を示していた。基本的にスマートケーブルは取り回しをよくしたり、空気の流れをよくしたりするもので、その構造上、伝送効率はフラットケーブルより不利だ。伝送効率が落ちていないだけ御の字と思うしかないのかも知れない。もっとも、高速回転のファンやドライブが何台も内蔵されているようなノイジーな環境なら、もっと顕著に差が出るかも知れない。

 ちなみにこのケーブル、PCパーツにはよくあることだが、HDD用50+20cm、30+20cm、FD用50cmの3種類とも同じパッケージになっており、かなり間違いやすそうなので、店頭で買う際には注意した方がいいだろう。

2001/12/03

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実売価格\3,680

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